昨年、横尾忠則さんのブログに
読後感がすっきりすると書かれていたのに惹かれて
森鴎外の短編小説、
「寒山拾得」
を読んでみました。
なんとも不思議なお話に、
私の読後感は…「え?」…。
そしてもう一度気になるところを読みなおし、
権力や盲信にふりまわされる俗な人間を笑い飛ばす、
仏の化身「寒山と拾得」にとても魅力を感じるのでした。
中国由来の不思議カッコイイお話。
曽我蕭白の有名な水墨画「寒山拾得図」も
物語がわかってから見ると「なるほど」と納得。
傲慢や不遜な気持ちになりそうな時、
寒山拾得を思い出し、心の中心においておくのもいいかも。
そういえば私の出身地の京都に「拾得(じゅっとく)」
というライブハウスがあって、学生の頃は気安く
「拾得いこか〜」とか言ってたけど、
その名の由来はこのお話だったのかも…。
あとがきの「寒山拾得縁起」も森鴎外のシャレっ気を
感じて楽しめます。
写真は「寒山拾得」がおさめられている文庫本。